「物流革新に向けた政策パッケージ」の解説
2023年06月07日
お知らせ
6月2日(金)、政府より「物流革新に向けた政策パッケージ」が発表されました。
その内容につきましては、発表当日にホームページにて掲載いたしましたが、主にトラ
1.具体的な施策
(1)商慣行の見直し
①待機時間、荷役時間の削減等を通じてトラックドライバーの労働時間を削減するとともに、納品回数の減少等を通じた総輸送需要の抑制や物流の平準化により効率的な物流を実現するため、発荷主企業、物流事業者、着荷主企業が連携・協働して改善を図る必要がある。このため、事業規模や貨物特性といった事情を勘案しつつ、それぞれの事業者に対して、物流負荷の軽減に向けた計画作成や実施状況の報告を求めるとともに、取組みが不十分な事業者に対して、勧告、命令等を行う規制的措置等の導入等に向けて取り組む。
②3分の1ルールや短いリードタイム等食品物流の商慣行の見直しについて、官民で構成する協議会等の場を通じて食品事業者に対して働きかけを行う。また、繁忙期を避けた発注やその大ロット化、パレチゼーション等、物流効率化を意識した商取引が進められるよう、物流サービスや需給状況に応じて価格を変動させる「メニュープライシング」や「ダイナミックプライシング」の取組み等、商取引における物流コストの見える化の推進に向けて取り組む。
⑤トラック事業、内航海運業及び倉庫業に係る燃料等の価格上昇分を反映した適正な運賃・料金収受に関する周知及び法令に基づく働きかけ等を実施する。また、トラック事業者をはじめとする物流事業者は荷主企業に対する交渉力が弱く、コストに見合った適正な運賃・料金が収受できていないことから、取引環境の適正化を強力に推進する。
(2)物流の効率化
①物流事業者の営業所や倉庫等において、バース予約システムや、フォークリフト、自動倉庫や無人荷役機器の導入など自動化・機械化を進める。また、到着時間指定やパレット化を推進していくことが重要であることから、荷主企業における自主的な取組みを促すとともに、設備・システム投資を推進する。
②車両や施設等の省エネ化・脱炭素化を推進するなど、物流GXを実現していくため、次の取組みを推進する。
(物流施設等の省エネ化・脱炭素化)
物流の脱炭素化に向け、物流施設における省エネ型省人化機器及び再生可能エネルギー設備等の導入や、冷凍冷蔵倉庫における脱炭素型自然冷媒機器への転換、物流施設やEVトラック等に対して一体的かつ効率的にエネルギー供給を行う取組み等を推進する。
⑤サプライチェーンの結束点として重要な役割を果たす営業倉庫が2024年問題等の社会情勢の急激な変化に的確に対応できるよう、流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律の計画認定制度に関し効果的な見直しを行い、物流GX・DX設備等の導入に加え、物流施設の整備・機能強化を推進する。また、災害時等におけるサプライチェーンの確保及び円滑な支援物資物流の実現のため、非常用電源設備の導入促進等により物流施設の災害対応能力の強化等を推進し、地域における防災力の強化等を推進する。
(3)荷主・消費者の行動変容
②荷主企業・物流事業者がより自発的・積極的に物流改善の取組みを進めることを後押しするため、荷主企業・物流事業者による物流改善の取組みや実施状況等についてランク評価等による見える化を行い、企業の努力が消費者や市場からの評価につながる仕組みの創設に向けて具現化する。
3.今後の進め方
(2024年初)
〇通常国会での法制化も含めた規制的措置の具体化
荷主企業・物流事業者間における物流負荷の軽減、物流産業における多重下請構造の是正、荷主企業の経営者層の意識改革・行動変容等に向けた規制的措置について、
2024年通常国会への法案提出を視野に具体化する。
(2023年末まで)
〇2024年度に向けた業界・分野別の自主行動計画の作成・公表
業種・分野別に、物流の適正化・生産性向上に関する「自主行動計画」を作成し、政府においても年内目途にそれらを公表する。ガイドラインの遵守状況について、2023年度末にフォローアップ調査を行い、速やかに結果を公表する。